宮沢洋一 Yoichi Miyazawa official site

歓送の辞


2015年10月8日に経産省退庁に際し行われた歓送式にて、暖かい歓送の辞を頂戴しました。

宮沢経済産業大臣が経済産業省を去られるに当たり、感謝の御挨拶を申し上げます。

昨年10月の宮沢大臣の御着任以来、経済産業省は、福島第一原子力発電の廃炉・汚染水対策や福島被災地の復興、原発再稼動を始めとするエネルギー政策の推進、成長戦略の具体化など、山積する課題に対して、一丸となって取り組んでまいりました。

こうした中、宮沢大臣には、これまで公務員、政治家として培ってこられた豊富な御経験と、経済についての確かな知識で、私達、経済産業職員を、力強さと温かさをもって、的確に導いてくださいました。各部局から御説明に上がる際には、内容を瞬時に理解され、職員をたじろがせるような本質的な質問をされました。宮沢大臣からは、「大臣レクで、メインシートの幹部が回答しているときに、バックシートから若手がどんどん補足してくる、そういうのは経産省だけだ」と御指摘いただいたこともありましたが、バックシートの若手も含め、職員と大臣とのやりとりの中で、政策が研ぎ澄まされ、職員も鍛えられていったように思います。  

国会では厳しい質問への答弁にも立っていただき、博識とウィットを織り混ぜながら、国会論戦を切り抜けていただきました。昨年の臨時国会の開会中に御就任され、わずか一週間の準備で国会論戦に臨まれることとなりましたが、大臣には、御自身のお考えやエピソードも織り交ぜながら、当意即妙に御答弁する姿に感服させられました。  

また、戦後最長となった本通常国会においては、経済産業省提出の七法案、二承認案件の全てについて、成立に導いていただきました。特に電力、ガス、熱を一体として大改革する電気事業法等改正案の審議では、誰よりも多くの答弁に立たれ、その数は、電事法だけで衆・参あわせて約360問にも上(のぼ)ったところです。法案提出までの御指導も含め、改めて、大臣の法案成立に向けた御尽力に、我々職員一同、深く感謝するところです。    

エネルギー問題では、宮沢大臣は、電気事業法改正案の成立だけでなく、震災後初となるエネルギーミックスの策定、大臣自ら鹿児島を訪問された川内原子力発電所の再稼動など、大きな足跡を残されました。また、再生可能エネルギーに関する系統への接続保留問題への対応策や現行制度の課題を踏まえた抜本的見直しなど、様々な懸案事項に対して、明確な指示を与えられ、我々を導いていただきました。今後、こうした成果や、大臣からの御指導を礎(いしずえ)としながら、引き続きエネルギーミックスの実現などの重要課題に取り組んでまいります。  

また、福島復興に関しては、週末を含め四回にわたり、福島に足を運んでいただき、廃炉・汚染水対策の現場や、仮設店舗など現場で懸命に頑張る方々を励ましていただきました。省を挙げた事業者支援や福島への企業誘致を指示され、その成果は、着実に出つつあります。  

我が国の産業競争力強化に向けた成長戦略の具体化と推進については、昨年、法人税改革を巡って財政当局と厳しい折衝が続く中で、大臣から「初年度に最低でも2.5%以上引下げ」という方向性をお示しいただきました。    この結果、昨年の税制改正大綱では、法人実効税率を平成27年度に32.11%、平成28年度に31.33%まで引き下げること、平成28年度に引下げ幅の更なる上乗せを図ること、さらに今後数年で20%台まで引き下げることが決定されたところです。関係方面への調整を直接御尽力いただくなど、まさに「税のプロ」として事務方を的確にお導きいただきました。  

さらに、成長戦略の担い手は中堅・中小企業であるとの信念の下、成長戦略「三つの見える化」プロジェクトを発案され、全国展開を、先頭に立って推進いただきました。    

通商交渉の分野でも、宮沢大臣のリーダーシップにより、大きな進展を見ることができました。対中関係では、中国の閣僚と会談することで日中経済関係の強化のきっかけを作っていただきました。  

また、米国のフロマン通商代表との会談や、インドのモディ首相との会談など、御在任中には計六回も海外に出張されました。海外要人との会談では、自らのエピソードを織り交ぜつつ、短時間で人間関係を構築し、トップ交渉を行っていただきました。   こうした多くの成果を生み出していただいただけでなく、我々職員の働き方や職務環境に対しても御配慮いただきました。「ゆう活」期間中も、それ以外の時期も、たびたび職員と懇談をお持ちになりました。補佐や新規入省の職員にもお声がけいただき、役職の分け隔てなく、職員と交流していただきました。また、超過勤務手当の改善に向け、財務省との折衝でもお力添えいただきました。    

大臣が在任中に成し遂げられた数々の成果は、「豊かな経験」、「確かな知識」そして、「幅広いネットワーク」の賜物だと考えており、尊敬の念に堪えません。今後、経済産業省は、宮沢大臣が残してくださった成果を礎(いしずえ)にして、日本経済の再生に向けて取り組んで行くことを、ここにお約束いたします。  

今後の宮沢大臣の益々の御活躍をお祈り申し上げるとともに、引き続き、我々を御指導賜りますことを重ねてお願い申し上げ、職員一同からの歓送の辞と致します。宮沢大臣、本当にありがとうございました。



平成二十七年十月八日